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業界に激震が走ったのは5月10日(水)。

前日の5月9日に業界を揺るがす大変な事件が起きたからです。
事件と言ってもこれは予想されていた事であり、起きて当たり前だったとも言えます。


(以下、遊技通信webより)

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警察庁保安課は5月9日、全日遊連、日遊協、日工組、日電協、全商協、回胴遊商の代表者を集め、これら6団体で平成27年9月30日付で締結した「高射幸性遊技機の取り扱いについての合意書」と「高射幸性遊技機についての申合せ」について要請した。

要請内容は二つ。一つは、2年前に定めた新基準に該当しないパチスロ機設置比率の目標値の見直し。もう一つは、高射幸性遊技機削減の目標値を設ける必要性を促すというものだ。

同庁では、昨年12月1日時点で「新基準に該当しない遊技機」の削減目標値50%について全体では目標を達成したものの、各営業所別に見た場合、目標を達成できていないところが多数あることに加え、パチスロ高射幸性機の撤去が進んでいないことを問題視。

さらに、パチンコへの依存問題が喫緊の課題となるなど、合意書と申合せを締結した2年前と現在では、環境が急激に変化していることを踏まえ、新基準に該当しない遊技機及び高射幸性遊技機の撤去が進むよう再検討を求めた格好となっている。
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今回、問題になったのは業界6団体が平成27年9月30日付で締結した「高射幸性遊技機の取り扱いについての合意書」及び「高射幸性遊技についての申合せ」についてです。

釘問題に続き、今度はスロットの事です。


■「高射幸性遊技機の取り扱いについての合意書」とは


合意書の項目は以下の2点です。


1.日遊協、日工組、日電協、全商協、回胴遊商は、全日遊連の平成27年6月24日臨時全国理事会決議による自主規制「新基準に該当しない遊技機の取扱いについて(基本方針)」を支援する。


2.メーカー団体が特に高い射幸性を有すると区分した遊技機については、ホールはこれを優先的に撤去する。この場合について、各メーカーは、下取り等優遇措置を講じるものとする。




■「高射幸性遊技についての申し合わせ」とは


1. 高射幸性遊技機の区分について

ぱちんこ遊技機、回胴式遊技機は以下の表の機種とする。(別添資料)


2. 撤去と優遇措置について

ホールは、高射幸性遊技機を検定期間内に優先的に撤去し、各メーカーは、その下取り等について適切に対処し協力する。下取り価格については、各メーカーが全日遊連に対して提示することとする。


3. 追加措置について

前項の下取り等の協力が行なわれない場合及び平成28年12月1日時点で、高射幸性遊技機の撤去が進んでいないと判断される場合は、6団体が協力して実効性のある適切な措置を講じる。


別添資料として高射幸性遊技機リスト、(ぱちんこ)22社61機種+(回胴式)23社65機種

が明示された


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警察庁は上記二つの「合意書」と「申し合わせ」について、以下の点を指摘しています。


・IR法案以降、「合意書」と「申し合わせ」を締結した2年前と現在では遊技業界を取り巻く環境が大きく変わった。⇒環境が変わったのだから、締結した内容も変えなさい(と受け取れる)。


・新基準機に該当しない遊技機の設置比率制限を守っていない店舗がある。⇒守らせなさい。


・パチンコの高射幸性遊技(MAX機)は撤去されたが、パチスロの高射幸性遊技機は撤去が進んでいないと聞いており、大きな問題であると考えている。⇒パチスロの高射幸性遊技機も早急に撤去せよ。


・新基準機に該当しない遊技機及び高射幸性遊技機の撤去が進むよう、6団体で「合意書」と「申し合わせ」を再度検討して、その結果を報告願いたい。⇒内容を厳しくして報告しなさい。


・パチンコを取り巻く環境は急激に変化しているにもかかわらず、新基準機に該当しない遊技機の設置比率の目標値は2年前に定めたものでいいのか?⇒2年前の内容と同じではダメ。


・高射幸性遊技機の撤去が進まないなら、削減の目標値を設定する必要はないのか?⇒パチスロの高射幸性遊技機の削減目標を明確にせよ。


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以上の項目を指摘されました。


これまでも全日遊連・メーカー・関連団体は警察庁からの要請は全て受け入れ、警察庁が納得する様な回答をしてきました。

これらの内容は警察庁からの6団体への質問ではなく、「そうしろ」と言われている事と同じですので、必ず近い将来に全ての内容が実施されると思われます。


設置比率制限を変更しろという事ですので、本年12月1日に30%としている現在の目標値を11月や10月、9月に早めるか、または12月1日のパーセントを20%や10%に変更する、または期限も%も早めて、9月までに10%以下にする等の何かしらの目標修正が行われると思われます。


しかし、現在のホールは絆・ハーデス・凱旋・まどマギ、などの人気がある高射幸性遊技機を多数保有しています。高射幸性遊技機は本来「優先撤去する」と6団体は表明していましたが、MAX機の撤去で有耶無耶になり、設置比率規制だけを守ってスロットの高射幸性遊技機の優先撤去は見て見ないふりで今日に至ります。


「申し合わせ」の文章内には「検定期間内に優先的に撤去し」と明記していたのに、バジ絆も認定(検定期間の延長措置)を受けています。優先撤去に罰則が無かった事が原因です。


ホールにとって楽観的なシナリオは、仮に「設置比率規制は11月1日までに15%以下、高射幸性遊技機も10月末までに全て撤去する事」の様な内容の場合です。これなら、(大手の余裕があるホールの話ですが)、期限の10月末ギリギリまで高射幸性遊技機を稼働させて、期限直前に一気に新基準機に入れ替えれば設置比率規制の15%(仮)もクリアし、高射幸性遊技機も無くなります。



しかし、最悪のケースは「優先撤去と言っていたのだから、高射幸性遊技機が残っている店舗は今後の入替時に、必ず高射幸性遊技機から優先して撤去する事」となってしまう事です。そうなってしまった場合のホールへの影響として一番懸念されるのはスロット新基準機の中古機相場の高騰です。


これまで絆の様な人気台は撤去対象と全く考えていなかったホールが絆・ハーデス・まどマギを外すという事は、「新基準機を導入して失敗した台」の撤去は選択肢から消えるわけです。すると中古市場に「導入して失敗した新基準」の供給が突然ストップします。

中小ホールは中古市場に流れてくる「失敗した新基準機」の中から少しでも良い機種を買っているので、新基準機の供給がストップした事で新基準機の物件が急速に減って行き、数ヶ月間に亘って中古機市場の新基準機の高騰を招きます。



この憶測が業界内に広がり、5月10日から新基準機の中古機相場が暴騰し始めました。

資金にゆとりのあるホールは数ヶ月先の入替用としてまとめ買い。中古機業者は価格上昇を目論んで大量仕入れ。こうなってしまうと我々の様なホールには手が出ません。

最悪のシナリオにならない事を祈るばかりです。

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5月9日以降、業界団体は猛烈なスケジュールで会議を開いており、「夏頃までには警察庁に改善内容の報告をする」と言われています。

警察庁は秋の臨時国会に向けて風営法改正の意向がある事を既に発表しており、「ギャンブル依存症対策に向けて、高射幸性遊技機も新基準機に該当しない遊技機も、しっかりと規制強化しています」と公言できるように着々と準備を進めているのですから、規制内容の改善案が8月頃になるとは到底思えません。恐らく7月中、場合によってはもっと早くしろと6月中の決定を促されるかもしれません。


ユーザーの皆さんもずっと「あれ?高射幸性遊技機の優先撤去はどうしちゃったのかな?」と思っていたはずです。

釘曲げ問題が発覚以来、MAX機の撤去により、ホールはスロットの高射幸性遊技機の撤去どころでは無かったので気が付かないふりをしていただけです。
もしかしたら警察庁側も黙認してくれていたのかもしれません。しかしIR法案の可決と、ギャンブル依存症対策がどんどん先行して、ついに触れて欲しくなかったパチスロの高射幸性遊技機に言及してきたという事です。

そして、ゆとりある12月1日の目標値についても、「甘いな」と言われてしまったのです。

パチンコ業界の最新情報でした。